薔薇十字館

何時も君は云っていたね。
貴方が居ないと私は生きていけないと。
僕の隣で猫のように丸くなって

僕の名前を呼びながら
応えると何でもない、と笑う君。
僕はどれ程愛したことか。
小走りでついて巡回る君を
疎ましく思ったときもあるけれど
僕は君を抱き寄せて
色んな事を囁いたね。

でもどうしてだろう。
何時も隣にいた君は
まるで霧のように消え去った。
理由など分かりはしない。
でも知っていたよ。
君は僕が居なくても生きていけると。

それでも僕は、愛しているよ。